数日前から、俺はカカシと喧嘩した。
原因は・・・・覚えてない。
本当に些細なことだった・・・・と思う。
煙草と恋人
カカシと口をきかなくなって4日目。
仲直りしなくちゃ、とは思っても、プライドが邪魔をする。
任務の都合上、ばったり会ってしまうことが多い。
会いたくなんてないのに・・・・・。
「よぉ!ナルトじゃねえか。」
そういって声を掛けてきたのは、髭面の男
猿飛 アスマだった。
「久しぶり。」
「聞いたぜ、お前カカシと喧嘩したんだってな。」
この男は、どっから聞いて来るんだか情報が人一倍早い。
しかも、人が恥ずかしがるような内容が多い。
「まぁ・・・な。」
あっさり認めてしまったことに驚いているのか、
ポカンとしている。
「アスマ、火ぃ貸してくんねえ?」
俺は煙草をくわえながら言った。
「おいおい、いいのかよ。中忍試験を控えてる奴が。」
「いいんだよ、普段だって吸ってんだから。」
「体力、落ちるぞ?」
「そんなことで、俺がヘマるとでも?」
滅相もない、と肩をすくめた。
俺の実力は知ってるし、俺の本当の性格だって知っている。
滅多にいない、俺の本当の意味での仲間。
「おら。」
ライターを投げてよこした。
顔に似合わず、ライトブルーのジッポを使っていた。
「何?お前こんな趣味あったの?」
「ハハ、俺にそんな趣味ねえよ。紅だ。」
ああ、そうかコイツと紅は付き合ってんだっけ。
って事は、紅の趣味か。
いいねえ、彼女からプレゼントなんて。
「ふ~ん、幸せそうじゃん。」
煙草に火をつけて、紫煙を吐き出した。
いつも吸ってるのに、初めて吸ったときのような感覚に襲われた。
「いい吸いっぷりだな、13のくせに。」
「ったりめーだ!3つの頃から吸ってんだからな。」
アスマは、顔を引きつらせて3つ・・・・・とだけつぶやいた。
「なあ、アスマ・・・・・・どうすれば素直になれる?」
「どうした?急に。」
ほんとに急にだよな。
時間がねぇ、って言えばそれまでなんだが、
この後、つっても一週間後、俺は長期任務につくことになった。
軽く見積もっても、4年は帰れないだろう。
だから、手遅れにならないように謝っておきたかった。
「俺、来週から長期なんだ。結構長くてさ・・・・・中忍試験も影が受ける。」
「謝って行きたい・・・・・・・か・・・。」
「あぁ・・・・。」
頭のいいヤツは助かる。
話が短くてすむ。
「じゃあ、その前にその匂いを何とかするんだな。」
「? 匂い?」
「お前・・・まったく気づいてないのか?」
「だから、何が?」
匂いたって、香水つけてるわけじゃないし、体臭だって消せる。
ボディーソープや洗顔フォーム、ハンドソープも無臭だぞ。
それなのに、何の匂いがあるのか皆目検討がつかなかった。
「匂いに気づくことが出来たら、素直になる方法も自然と見えてくるぜ?」
そんな、訳の分からない言葉を残して去っていった。
下忍の任務で、カカシと接触するのは免れない。
どう頑張ったってムリだ。
俺も忍びだ!と覚悟を決めたが、やっぱりどこか割り切れていない。
長期まで、あと5日。
明日には、『俺』は里を離れる。
しばらく戻れないが、まあ大丈夫だろう。
中忍試験も影に任せたし。
多分最後になるはずの下忍の任務。
最後の日くらい腹から笑ってやろうと思う。
「おはよーサクラちゃん!!と・・・サスケ。」
「おはよー。」
「・・・・」
いつも通り、カカシの大遅刻により4時間ばかり伸びてしまった任務開始時刻。
今日は、草むしりで肉体労働。
ちょっとでも、体力はあったほうが良い。
ほどほどに力を使い、任務をこなしていた。
ふっとした時、サクラちゃんが話しかけてきた。
「ナルト、あんたタバコ臭いわよ?誰か近くで吸ってる人とかいない?」
そういえば、最近本数が増えてるような気がした。
でも、まさか自分で吸ってるとはいえないから、適当に浮かんできた名前を言った。
「ん~~~、多分アスマ先生だってばよ。このごろよく会うから。」
「あんた、アスマ先生と仲良かったの?」
「じっちゃんに会いに行ったときに、居たんだってば。それからよく遊ぶってばよ。」
「ふ~ん。」
カカシの視線がこっちに向いたのが分かった。
多分、アスマに反応したんだろう。
喧嘩してても、気になるってか?
多分、アスマにとばっちり食らわすんだろうな・・・・・。
アスマ悪い。
それから、軽く話をして笑ったり怒ったりした。
サスケとの喧嘩もしばらくはできないし、サクラちゃんからのお叱りも暫くお預け。
カカシと一緒に居ることもできない。
しょうがないんだ。
木の葉は人手不足。
大半を殺したのが、俺の身体の同居人。
俺がやったも同じ事。
しょうがないんだ。
そう割り切って、俺は里を出る。
夕方になり、任務が終わった。
「おお、よくここまで終わったな~。」
「俺ってば、大活躍だもんね!!」
「ドベ、お前は遊んでただけだろうが。」
「そうよ、サスケ君が一番働いたじゃない。」
まあ、適当にしてたのは本当だからなんともいえないけどな。
でも、一応ドベのナルトとしては頑張ったんだぜ?
「そ・・・そんなあ・・・・サクラちゃ~ん。」
ガックリとばかりに肩を落とせば、クスクスと笑い声が聞こえる。
こんな暖かいことからも離れて、明日からは人を殺す。
「はいはい、そのくらいにしておきなさい。じゃあ、今日は解散。明日も同じ時間にここだからな、遅れるなよ~。」
「センセーが言うなってばよ。」
「そっくりそのままお返しします。」
「ウスラトンカチ。」
サクラちゃんとサスケが帰ったことを見送って、俺も帰ろうとしたらカカシに声を掛けられた。
「ナルト。」
「何?俺、結構急いでんだけど。」
多分アスマのことだろうな~と思ってたら、バッチリその通り。
「いつ、アスマと会ってるの?それに、そんなにタバコの匂いを残したら、任務に支障が出るよ?」
「さっきのアスマってのは冗談だ。まあ、ちょっと前に会ったがな。タバコは自分のだよ。」
「!!そんなに匂いの付くほど吸ってるのか?!」
「最近、イライラすることが増えたんでな。」
いやみったらしく言ってやれば、少しおとなしくなった。
その場から早く離れたかった。
長居すれば、ここが恋しくなってしまう。
「俺、任務入ってるから、じゃ。」
それだけを言い残し、さっさと家に帰った。
支度は済んでいる。
時間になれば、数人の暗部と場所へ行けばいいだけだ。
いつもの明るい、忍服は押入れの奥にしまった。
いつも愛用している、暗部服を着て狐面をかぶった。
月が家の屋根を明るく照らすころ、家を出た。
里に起ころうとしている、危機に俺は気づいてはいたが
火影様からの命令では、逆らうことはできない。
去り際に『死ぬなよ』とだけ言葉をおいてきた。
俺が、帰ってくるのは4年後。
多分みんな変わってるんだろう。
そして俺も・・・・・・・・。
カカシなんて案外結婚してたりして。
子供なんか居ても笑えるよな。
俺のことは忘れてもらってかまわない。
むしろその方が都合がいい。
帰って行くころには、あいつは30になっている。
身を固めたほうがいい。
はたけ家の血を絶やさないために。
ああいった優秀な忍びが、あの里には必要なんだ。
俺なんかに現を抜かしてちゃいけない。
最後まで謝ることができなかった。
すまない。
生きて帰れるかも分からない。
俺が死んだら笑ってくれ、馬鹿な狐が死んだってな。
そうして俺は、闇へ溶け込んだ。
________________言い訳___________________
ああ、書いてしまった連載もの。
本当は短編だったのですが、書きたいことが纏まらず、
結局は長編に・・・・・。
まあ、頑張ります!!
できるだけ長くお付き合いください。