「や〜だ〜〜〜〜〜!!ナル君の所に行くんだーーーーーー!!!!」
火影様の執務室は今日も賑やかで、秘書の方々が頭を抱え始めました。
あぁ、ナルト
バン!と一際大きな音がして、教室のドアが勢い良く開けられた。
教室内に居た全員が音の方を向く。
開けた人物は肩で息をして、子供たちの方へ目を向けた。
「ナルト様。四代目を止めて下さい!我々では手に負えません!!」
ナルトを様付けして呼び、すがり付いて泣き始めたことから
四代目火影の秘書に間違いない。
皆は秘書に気の毒そうな眼差しを送って、哀れんだ。
「・・・・はぁ・・・・今日はどうしたってば?」
「はい、ナルト様のもとへ行くと駄々を捏ね始めまして、執務をしてくれないのです!!もう書類が山のようになってしまって!!!」
腕を目に当てて、本格的に泣き出してしまった。
あの四代目と共に過ごすのだ、相当な精神疲労は免れない。
秘書に同情しながらも、ナルトは父親である四代目をどう懲らしめようかと
頭をフルに回した。
「・・・・しょうがない、行くってばよ。センセー、こーゆー事だから暫く抜けるってば。」
「・・・・判った。行って来い。」
イルカは苦笑しながらナルトを見送った。
「ナル君の所に行くんだーーー!!!離せってば!!」
「先生!ナルトから怒られますよ!!お願いですから仕事してください!!」
「嫌だ!!ナルく〜〜〜〜〜ん!!!!!」
執務室から相当離れているのに、四代目とカカシの声がはっきりと聞こえる。
カカシも暗部の仕事で大変だろうに、四代目が暴走するとナルトが到着するまでのストッパーとして使われる。
嫌とは言えない。
四代目を足止めさる事の出来る者は数名しか居らず、しかも皆出かけてしまっているのだ。
カカシもまた貧乏くじを引いてしまう性分なのだ。
「何やってんだ、馬鹿親父!!!!」
物凄い怒号と共に踵落としが四代目の頭にクリーンヒットした。
ドゴ!っとすごい音がして四代目は床とお友達になった。
「カカシ、悪かったな。」
「いや、いいよ・・・・・・けど、ナルト。アカデミーは?」
「コレを聞かされて、司書から泣きつかれてみろ。嫌でも来なきゃいけなくなる。」
たしかにと苦笑を溢した。
「・・・さぁ〜て、クソ親父・・・・・てめぇいい加減にしろよ?」
節をボキボキと鳴らして四代目の前で仁王立ちする。
顔は笑ってはいるが、目が全然笑っていない。
こういった所は父親にそっくりである。
「親父、俺暫くカカシん家に住むから。反省するまで帰らん。」
一番大きな爆弾が四代目の頭の上に落ちた。
「い・・・・・いやあああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!」
「うるせえ!!!!!!!!!」
「だって、ナ・・ナル・・あっと・・え・・・・・えぇ!!!」
おろおろし始めた四代目に対して、ナルトとカカシはいたって平然。
ナルトはともかくとしても、あのカカシが取り乱さない方が可笑しい。
「ちょっと、カカシ君!君、何でそんなに落ち着いてるの!!!!?」
「だって、ナルトから言われてましたもん。今度、先生が執務放棄をしたときは、家出して俺の家に暫く住むって。」
そう、コレはだいぶ前からナルトが練っていた計画。
脱走癖のある父親から、まともに仕事をしてもらうためだけに考えたものだった。
「ナル君、どうしてカカシ君のところなの!!?シカマル君でも、シノ君でも、チョウジ君でも、サス・・・・・ゴホン。
いっぱい要るじゃない!!?なんで!?危ないから、パパは許さないからね!!」
「その年でパパ言うな!キモイ!!」
顔面を容赦なく殴りつける。
四代目が壁にめり込んだことから、どのくらいの力殴ったのか、粗方検討はつく。
「じゃぁ、親父、少しは反省しろよ?じゃねぇと、カカシんトコに住み着くから。」
四代目をほったらかして、カカシと共に執務室を後にした。
カカシはといえば、足取りも軽やかにナルトと今晩の夕食の買出しについて語っていた。
「ナル・・・・・ナルトが・・・・ナルトが、あんな獣に・・・・・。」
とぐろを背負いながら、のの字を書き始めてしまった四代目を無理やり机に座らせて、
書類を山積みにした。
「ちょっ・・・・・ちょっと、君たち!何すんのさ!!」
「四代目、ナルト様がカカシの元から戻られなくなってもよろしいのですか?」
それを言われてしまったら、四代目は黙るしかない。
口をへの字に結んで、軽く涙目になりながら、秘書を睨み付けた。
「・・・・・・四代目、考えても見てください。きちんと仕事さえすれば、ナルト様はきちんと戻ってきてくださいます。」
あのナルト様が一度でも約束を違えた事がありましたか?と言われ、四代目は俯いた。
黙ってしまった四代目に、秘書はため息をついて、伝言を伝え始めた。
「ちゃんと仕事すりゃあ、直ぐに戻るしアカデミーの休み時間には遊びに行ってやる。
ただし、秘書達の迷惑になるような行いをしてみろ。一生戻らねぇからな。カカシの嫁になってやる。
・・・・・・と、ナルト様より伝言をお預かりしております。」
「・・・・・休み時間に遊びに来てくれる・・・・・、仕事さえすれば、獣の元から救い出せる。」
ぶつぶつと一人ごとを言い始めたと思ったら、いきなりペンを取り出し
すごい勢いで処理し始めた。
10分もすれば、机の上にあった書類は全て消え、今まで溜めに溜めた書類
占めて10万部全てを終わらせていた。
秘書達は、感動と嬉しさに打ち震え、涙を流し始めた。
「あとは!?もうないの!!?」
「はい、コレで最後です。」
最後の一枚にサインして、火影の執務印を押し
全て処理された。
「お疲れ様でした。毎日コレくらい張り切っていただければ、残業なんてしなくて澄みますよ?」
心を躍らせながら、お茶を出す。
湯飲みからは、和やかに湯気が立ち上っていく。
「・・・・・・・はぁ、ナルトいつ帰って着てくれるんだろう?」
机に突っ伏して死んだ魚のような目をしてしまっている四代目。
流石に秘書達の良心が痛んだ。
「・・・・・ナルト様、終わりました故に出て来てくださりませんか?」
お茶を啜りながら、天井を見てボソリと呟いた。
四代目は空かさず頭を上げ、辺りをキョロキョロと見回した。
「ったく、ダメだってばよ。あと2日は帰らない予定だったのに。」
音もなくソファの後ろに降り立った。
「ナル君!!!!!???」
椅子から立ち上がると、一目散にナルトへと飛びついた。
ナルトは小さな子供にするように、よしよしと背中を摩ってやる。
「おー、やればできんじゃん。あんなに有った書類が全然ないぜ?」
関心したように、キョロキョロと辺りを見る。
さっきまで、部屋いっぱいに山のように積んであった書類が
全く見当たらない。
「どう!?これからもちゃんとするから、ナル君帰って着てくれる?」
仔犬のような目で見つめられては、流石のナルトも折れざるをえない。
なんだかんだ言って、この親子お互いに相手に対して弱い。
お願いされれば、ナルトだって簡単に折れる。
「・・・・・はぁ、分かったよ。きちんと帰るから。ただし、今日はカカシん家に泊まる。」
「何で!!!!!!?」
すごい剣幕で顔を近づけてくる四代目を払いのけて、ドアに寄りかかる。
「だって、親父が迷惑かけた分夕食作ってやるって約束しちゃってさぁ。それからちょっと出かけるし。」
苦笑しながら言えば、四代目は廃人のように真っ白になって、崩れ落ちた。
「悪ぃ、あ、でもアカデミーに行く前には顔出すから!!じゃ!!」
直ぐに見えなくなってしまった。
四代目は、暫くすると我に返り、秘書にすがり付いて泣き始めた。
「あんなに頑張ったのに〜〜〜〜!!!!!」
こんな親馬鹿ドアホに木の葉の将来を任せて大丈夫なんだろうかと、
秘書達は心から心配した。
あぁ、ナルト。
パパのところへ戻ってきておくれ。
やっと書けた。
この作品は3ヶ月以上も前から執筆していたモノでした。
なんとか書き上げに成功。
お蔵入りかなぁ?ともおもったんですが、何とかなりました。
四代目は、素晴らしい親ばか。
サスケ君がナルト狙いってことも知ってます。
ナルト君はカカシ先生のことは嫌ってません。
むしろ大好きです。
ただし、この話限定。
2005/05/22