泣いたって、何も変わらない。
でも、泣けるのは幸せだと思う。
俺は、泣くことを知らないから・・・・・。
啼く
自分で言うのもなんだが、俺は感情欠落者だ。
何をするにも、感情なんてものが無い。
みんなが綺麗と言うものを見ても、全く何も思わない。
みんなが悲しいと思っても、何とも思わない。
任務のために、わざわざ偽の感情を作った。
里のためにドベのフリをする。
すっごく窮屈だけど、今更直せない。
じっちゃんからはよく謝られる。
そんなことされても、何ともおもわないんだからやめてよ。
俺は自分すら信じていない。
自分をどうやって信じればいい?
本能のままに動いてしまったら?
九尾に呑まれてしまったら?
・・・・・・・・・・人を信じてしまったら?
今まで信じたことがあるのは、じっちゃんのみ。
ほかの奴らを信じたことなんて無いから、当然裏切られたこともない。
だから、余計に怖くなる。
俺なんか、この世に居てはいけない存在なのだから・・・・・・・・・。
中忍選抜試験の時、じっちゃんはこの世を去った。
葬儀にも参列したが、涙は出てこなかった。
周りでは、涙を流す者が大勢いた。
葬儀が終わっても家には帰れなかった。
慰霊碑にじっちゃんの名前が刻まれていた。
「じっちゃん、なに死んでんだよ。俺に泣き方・・
教えてくれるんじゃ無かったのかよっ!!!!」
初めて俺を信頼してくれた人。
そして、俺が唯一信用した人。
じっちゃんは、俺に泣き方を教えるって言った。
俺が泣くまでは死なないと。
嘘つき。
俺、泣いてないよ?
泣き方・・・・・・わかんないよ。
それなのに、何 死んでんだよ!!!
俺は、なんのために生きりゃあいいんだよ!!!!!
俺の生きる希望はあんただった。
それが無くなった今、俺の存在理由は無くなった。
じっちゃんのいない里なんてどうでもいい。
じっちゃんさえ無事だったら、ほかはどうでも良かったんだ。
俺はもう、生きていない方がいいのかな・・・・・・・・。
どこからか、優しい気配がした。
間違いなく、じっちゃんの気配。
『ナルトや、そんなに自分を苛めるでない。泣き方を知らぬお前を置いて、先立ったりせぬわ。
お前はもう、泣き方を知っておるぞ?今の感情のまま、力を抜け。そうすれば、全てが楽になるぞ?
良いかナルト。お前が自分自身を信じられずとも、儂が信じておる。
死ぬでないぞ。儂のために生きておくれ。信じておるぞ。」
それは空耳だったのか、だが、今の俺には十分過ぎるほどの暖かいものだった。
俺にこんな事してる暇あったら、木の葉丸のとこにでも行けよ。
俺は笑った。
十ちゃんの優しさが、今滝のように思い出となって押し寄せてきた。
そういえば、心から怒ってくれた事もあったっけ・・・・・・。
あのときは流石に怖かったなぁ。
俺は笑った。
頬を伝うものを拭きもせず、だた空を見て笑った。
目をつぶればじっちゃんの顔が浮かぶ。
大切な存在。
俺の全てだった人。
俺は嗤う。
そして、いつまでも泣いてやるよ。
誰が死んでも、俺は泣いてやる。
このことを教えてくれた人の人生のように。
俺は、皆の事を思って、
啼いてやる。
_________言い訳_________
中忍試験の時ですね。
火影様は亡くなってしまいました。
あのときは、私自身啼きました。
「火影様が〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!」
出来れば、生き返ってほしい。
出来なければ、ナルトを慰めるだけでも!
という願望で書いた作品です。
私的には、気に入っている作品の一つです。
2005/1/15