「ナルト、今まですまなんだ。もう、これからは自由ぞ。」
女は優しくナルトを抱きしめて、そうつぶやいた。
それから、顔を上げてカカシ達のほうを振り向いた。
「小僧、貴様か妾を呼んだのは。」
「ええ、そうです。」
カカシが生気の篭らない目で女を見上げた。
「ほう、よく妾を呼ぶ法を知っていたな。貴様は何者じゃ?」
「・・・・貴女を封印した四代目は俺の師です。あの時も俺はあの場に居ました。」
「おお、そうか、ではあの時の銀髪の小僧か。大きゅうなって見まがえたぞ。」
クツクツと喉の奥で笑った。
その間もナルトは腕の中にいた。
「・・して、妾に何用じゃ?早くせねば、この子の身体が崩れてしまう。」
「ええ、分かっています・・・・貴女は、あの里が憎くないですか?」
カカシの問いに少々首を傾げたが、口元だけをニヤリと浮かせた。
「憎い、憎いに決まっているであろう?あの里の者は、妾の実子を殺したばかりか、この子までにも手を出したのぞ!!
なぜ妾をそっとしておいてくれぬ!!この子が何かしたのかえ?妾の子を殺したのはだれぞ!!あんな惨い殺し方をしておいて、
どの面を下げて聖人じゃ!!!薄汚い化け物共めが!!!!!どちらが化け物か!!・・・・・・小僧、貴様はなぜ里を嫌った?
そなたの師が命がけで守った里ぞ?」
「ナルトを貴女と同一視した里のものが憎い。こんな目にあわせるなら、あの時に滅んでおけば良かったんだ。
ナルトの顔を見てくださいよ。笑っているでしょう?死ぬことを分かっていて、尚も笑っているんだ。
憎まないほうが可笑しいじゃないですか。」
憎しみしか写さなくなった目は、どこを捉えているかさえ危うい。
冷静を欠くような馬鹿な真似はしていない。
むしろ、冷静すぎて身震いがする。
絶対の存在だった師を失い、新たに見つけた光をも失った。
あの優しく厳しく、おちゃらけたカカシはもう、どこにも居なくなった。
確か、先生が言ってたっけ?
憎しみに身を委ねるな。
私達は忍だ、心を殺して行かなくてはいけない、荊の道なんだからって。
ムリですよ。
俺は、貴方みたいに立派な忍には成れませんでした。
「小僧、妾が誰か分かって口をきいているのかえ?」
「分かっているから、ここまで呼んだのですよ。九尾の妖狐様。お久しぶりで御座います。」
女は肩を震わせた。
「クックク、ハハハハハハハハハハ!!妾を狐と知っていての事か。
気に入った、その根性に敬服して望みを叶えてやろうぞ。して、何を望む?」
「ナルトの成長と、木の葉里の壊滅を。」
「ちょ!カカシ何を考えてんだい!」
「言ってる事が分かってるのか!?」
「煩い。」
紅とアスマが慌てて口を挟んだが、殺気を込められた呟きに押し黙った。
「それで良いのか?そなたの師が守った里ぞ?」
「構わない。俺にはナルトだけが居ればよかった。それを奪ったのなら、いくら先生が守った里でも潰す。」
その答えに、満足したようにニヤリと笑った。
その言葉に一切の迷いは無い。
「小僧、この子は一度、生を手放した。魂を戻す事は可能だが、記憶は無くなる。よいな?」
「はい。」
「其れでは小僧、そなたの命貰い受ける。」
「仰せのままに。」
カカシは静かに目を閉じた。
九尾は、ナルトを紅に預けた。
危ないから下がっていろと背に下がらせた。
目にも留まらぬ速さで印を切った。
と、カカシが目の前で倒れた。
そのまま九尾はナルトへ向き直り、胸に手を翳した。
俄かに辺りが暖かくなり、ナルトの顔に赤みが差した。
手首に指を当てたら、僅かだが脈が感じられた。
目を細め、うっとりと見入っていた。
「ナルトを、渡してくれぬか?」
言われて、紅は九尾にナルトを返した。
「あの、カカシは?」
九尾は目を伏せて、死んだ。とだけ言った。
「は?カカシが・・・・死んだ?」
「冗談・・・・だろ?」
「残念ながら、冗談ではない。あやつは自らナルトとの【繋ぎ】になったのじゃ。」
カカシの元へ歩み寄って、膝を折った。
「礼を言うぞ。妾だけの命では助けられなんだ命を、そなたは救ってくれた。
この子を精一杯愛し、成長を見守ることを誓う。そなたの命は無駄にはせぬ。
安らかにあれ。」
ナルトの目から一粒の涙が流れた。
_________言い訳________
やっとアップしました。
これまでは、受験やなんだかんだで更新できませんでしたが、
今度からは、どんどん更新していきます!!
カカシ先生、ごめんね。
殺す気は無かったんだよ〜〜〜^。
二人でハッピーエンドから、だんだん離れていった・・・・・。
もう、どうにでもなれ・・・・・・(バタ!)←倒れた。
2005/2/6