化け物なんかじゃ・・・・。
ナルトは、独り森の中にいた。
泣くところすら与えてもらえず、ひっそりと暗い森の中にしか
自分の居場所を見つけることができなかった。
「うっ・・・・・はぁ・・・・うぅ・・・・・」
誰も信じない。
誰も愛さない。
こんな命、いらない。
里の大人に、面と向かって『死ね狐』って言われた。
そのことで、ナルトが九尾の器だと言うことが同期の下忍達にバレてしまった。
みんなからは恐怖しか伝わって来なかった。
一番辛かった。
もう、生きていても仕方ないと思った。
ねぇ、九尾。
聞こえてるでしょ?
あのね、この身体、もう要らないから好きにして良いよ。
俺、今から死ぬから。
もう、この里では、生きていけない。
人間なんて信用しない。
任務中に、いきなり殴り飛ばされた。
見上げれば、知らない男が立っていた。
それから、
『死ね狐。13年もの間よくも抜けぬけと生きていられるものだな。九尾の狐なんぞ、この里には要らないんだ。
てめえさえ死ねば、てめぇさえ居なければ、俺のダチは死ななかったんだよ!!!!お前の中にいる九尾が俺らを壊したんだ!!!!!!!!!』
って。
上忍達が男を取り押さえて、殴った。
けれど、一度言った言葉はなくなるはずも無く、子供たちの耳に入った。
子供たちは、化け物でも見るかのような目でナルトを見た。
勇気を出して、ナルトは近づいた。
手を伸ばして桜色の髪を持つ女の子に声を掛けた。
「寄らないで!化け物!!!!」
あらん限りの声で叫ばれた。
みんなもサクラを守ろうと、背に庇って睨んだ。
突然、頭の中が真っ白になった。
だた、涙だけが頬を伝う。
「ナルト!!!!!!」
カカシが声を掛けたが、聞いてはくれなかった。
ナルトは森へと走っていった。
「馬鹿やろう!!!!!」
カカシは、今まで出したことが無いだろうと思うほどの大声を出した。
子供たちが憎い。
やっと、慣れてきてくれたのに。
やっと心から笑ってくれるようになったのに、信じていたはずの仲間に裏切られた。
それがどれ程大きな傷を作ったか、こいつらは全く気づいていない。
殺してやろうかとも思った。
「先生!!何で化け物なんて庇う必要があるんですか?!」
「そうよ!サクラなんて怖い思いをしたのよ!!」
最初は怯えたものの、震えるサクラを見て声を上げた。
言ってくる抗議の声に、抑えていたアスマたちも切れた。
「黙れ、その喉掻っ捌かれてぇか!」
静かだが、殺気を十分に含んだ低い声で言い放った。
さすがに、下忍たちも黙り込む。
「あんた達なんかに、あの子の気持ちなんて一生分からないわ。毎日毎日血を吐きながら、あんた達を守ってたのよ!!!!」
あまりにもきつく拳を握っていたため、爪が食い込んで血が流れていた。
けれど、こんな痛みは痛みとはいわない。
外傷なんてすぐに治る。
ナルトの痛みは、こんな生易しいものではない。
けど、心の傷は治らない。
治ったとしても、何かがきっかけでぶり返すこともある。
見事にこの子たちは、ナルトの傷を再生不可能にまで引き裂いてくれた。
「あんな化け物に、守ってもらってた覚えは無い!!!!!」
サスケが言い切ると、抑えきれなくなったカカシが手を挙げた。
鈍い音がして、無様に地へ叩きつけられた。
「か・・・は!」
「守ってもらった覚えが無いだと?お前、何言ってんのかわかってんのか?ああ!!?」
目に光などは無い。
ただ、憎しみだけを込めた目だ。
「この里は、ナルトが居たからあるんだよ!!あいつが居なかったら、今頃皆、墓も無いまま死んでんだ!!あいつは、四代目の子供だ!
一番祝福される筈だった子供なんだよ!!てめぇみたいな鈍らのボンボンとは訳が違うんだ!!臍の緒切ったばっかの赤ん坊が
『俺の腹に九尾を封印してください。』なんて言うか!!
与えられる優しさを突っぱねて、俺は孤独だと言ってられるだけ幸せなんだってどうして気づかねぇ!!
毎日毎日殴られて、蹴られて、血まで吐いて、それでも笑ってたんだ。どんだけ痛いか想像できるか!!?
内外両方から痛めつけられて、笑ってるのがどれほど痛いか!!!!!
てめぇらは本物の英雄をどれだけ痛めつければ気が済むんだ!!!!!!!!!
ナルトにもしものことがあったら、俺はお前らを
殺す
」
カカシたちは、急いで森の中に入っていった。
森の中では、ナルトを見つけられた験しが無い。
自然と一体化してしまった様に、全く気配がつかめない。
焦りを抑えつつ疾走した。
その頃、ナルトは川辺に居た。
今は3月。
夜になれば水辺の近くでは息が白くなるほど冷える。
何のためらいも無く、中へ入っていった。
何も抵抗せず、ただ流れに身を任せた。
もう、いやだよ。
耐えていくのも、涙を流すのも。
何もかもが億劫で、生きている意味なんて無いんだってばよ。
俺は生きていることでさえ許されないのだから。
もう、自由になりたいんだってば。
鼻から口から、あらゆる処から水は体内に侵入し溺れさせる。
苦しいけれど、気持ち悪いけれど、里の人間よりもまし。
むしろ、自然と一体化していくようで嬉しい。
目が霞んできて、音が無くなった。
自己防衛反応のためか、勝手に手足がばたつく。
けれど、それすら気力で押しこめ動きをとめた。
ナルトが見つかったのは、それから3時間後だった。
岸に流れ着いていた。
しかし、身体をゆすっても、声を掛けても返事が無い。
肌は冷たく、青白くなっていた。
そう、ナルトは死んでいるのだ。
「ナルト?冗談だよね?目、開けてよ。また先生って言ってよ。なんで、俺を置いていくんだよ。
親子揃って俺を置いていくの?ねぇ、ナルト、ナルト!」
カカシは吠えた。
ナルトの魂を呼び戻そうとしているかのように、天に向かって抱きしまたまま。
その声に気づき、アスマと紅がやってきた。
カカシの腕の中には、ぐったりとしているナルト。
胸板が動いていない事から、呼吸をしていないのが分かる。
しかも、肌は青白い。
極めつけは、微笑んでいるのだ。
あんなに酷く拒絶されていたのに、あんなに我を忘れるほど気が動転していたのに笑っている。
このことから、ナルトがこの世のものではなくなってしまったということがわかった。
カカシは吠えていた。
涙を拭きもしないで、只管吠えた。
紅が、そっとナルトを抱き上げた。
すっかり冷たくなってしまったナルトをこのままにはできない。
歩き出そうとしたら、見知らぬ女が立っていた。
気配すら掴めず、ただ、たっていた。
「妾の子に触れるな。」
そういうと、ナルトを紅から奪い取った。
______言い訳_____
下忍たちの馬鹿〜〜〜〜!!!!
なるチャンになんてこと言うんだ!!!!
てか、この女誰さ!!
お前こそなるチャンに触んな!!
・・・じゃない、これから、どうなって行くかな?
とりあえず、この人のことを書きますか。
2005/1/25