、おめでとう。」
「・・・・・何が?」






Happy birthday






朝起きて、顔を洗って服を着替えて、
寝癖の強い髪を撫でつけ、きちんとセットした。
いつもと同じように駆け足で食堂に向かう。

そこで言われたのが【おめでとう】だった。
何に対しておめでたいのか、には見当もつかず
ただ首を傾げるだけだった。




「・・・・・覚えてないの?」

「・・・いや、だから何?」



キラが呆れたようにため息を一つ付いて、悲しげな瞳で見上げた。

「・・・・今日は、何日?」

「・・・31日」

「今日は、誰の誕生日?」

「あ!!」

「思い出した?」

ふわりと笑うキラを見ながら、自分の席に座った。
何気なく笑うキラの顔が、は直視できず顔を赤らめた。


「ハハハ、あたしね、いっつも忘れちゃうの・・・・一昨日までは覚えてたのにな〜。」



コーヒーに砂糖を入れながら、苦笑いをする。
キラも苦笑を溢し、目の前の席に座った。
じーーーーーーっと見つめるキラの視線が気になって、コーヒーを飲むことができない。



「あの・・・・キラ君?見られてると、とっても飲みづらいんだけどなぁ・・・・・。」

「だって、可愛いんだもん。」



赤かった顔がますます赤くなる。


「何言ってんの? キラの方が可愛いじゃない。」

そう言えば、小さな子供のように頬を膨らませて
眼を据わらせた。


「男が可愛いって言われても、嬉しくない。」

「ぷっ!」


もう16にもなって、その行動をとること自体【可愛い】
と言われる事の由縁だと言うことを未だに気づいていない。
ソレが尚更可愛くて、可笑しかった為は噴出してしまった。


「ヒド!酷いよ〜!」

「アハハ、ごめんね。だってホントに可愛かったから。」


クスクスという笑が、一向に止まらない。
抑えなければと思えば思うほど、止まらなくなった。
やっと笑い止んでみれば、キラの機嫌が傾いたことに気づいた。



スッと立ち上がり、キラの後ろに回ってそっと抱きしめた。


「ごめんねキラ。お詫びに買い物でも行こ?」



いきなり振り向いて、俄かに顔を明るく輝かせた。

「良いの!?」

「いいわよ。ご飯を食べたら行こうね。」

「ん!」



それから急いで食事を済ませ、外へと出た。



























、コレ似合うよ。」

「そう?でも、コレも良くない?」

「え〜、ボクはこっちが良いなぁ。」



一軒の服屋に入って早三時間。
二人は、あ〜でもない、こ〜でもないっとの服を選んでいた。




「よし!じゃぁこれにする。」

「うん・・・そうだ!今日それ着てなよ。今、店員さん呼んでくるから。」



返事も聞かずに、さっさと走り去ってしまった。
男の子と買い物をしているというより、可愛い弟と買い物をしている気分になる。







店員が来て、値札を鋏で切り取ってくれた。
お金を払おうとしたら、
「もう頂いております。」
とにっこり微笑まれた。



聞けば、店員を呼んできた時に勘定を済ませたという。


「素敵な妹さんですね。誕生日プレゼントですって。」


優しく微笑まれて、ははにかんだ。
何せ、キラは妹ではなく大事な彼氏だから。

























「キラ、ありがとう。」


ふわりと笑えば、顔を赤く染めへへっと頬を掻いた。


























「ねぇ、君かっわいいねぇ〜。今暇?」
「俺らと一緒にお茶しない?」





よりも少し早めに角を曲がったキラが、なんともベタな二人に絡まれていた。
こういった輩を余り知らないキラにとって、珍獣でも発見したと言うように見ている。



「キラ、こっちに来なさい。」

がそっと囁けば、来た道を帰っていこうとする。



「ちょっと〜、ソレはないんじゃない?」
「何々?君も可愛いね〜。邪険にしないで遊ぼうよ〜。」


逃げようとしても、腕をつかまれているため振り切れない。
力を入れるが、体制が悪く上手く力が入らない。


「! やめて、急いでるの。」

腕を引いたが、それに反して掴む力は増していく。

いくら腕の立つ軍人と言っても、所詮は女。
男の力に勝てるわけがない。


「った!」


痛みと共に、声が出た。
顔を顰めながも引く腕の力は弱めない。




バキ!







「ぐふ!」

















今までの腕を掴んでいた男が、後ろに倒れた。
顔には指の痕がしっかりと残っている。




「汚い手で、に触るな。」




付いた血を払って、いつもよりも低い声で言った。

「んだとテメェ!優しくしてやりゃぁいい気になりやがって!!」


「!キラ、危ない!!」

男がキラ目掛けて拳を振り下ろした。
の目には、ソレがスローモーションのように遅く感じられる。
一コマ一コマが目に焼きついてゆく。





「誰も優しくしてなんて言ってないし、された覚えもない。」


ボソリと呟いて、男の鳩尾にアッパーを見舞った。
見事に入り決まり、気を失った。



「それに、ボクはだ。」


苦々しげに気絶した二人に言い放った。



















?大丈夫?立てる?」


心配そうに覗き込んでくるキラを見て我に返った。



「キラ、大丈夫?!怪我してない?!」

「うん、ボクは大丈夫だよ・・・・・、腕・・・見せて?」

袖口をそっと捲られ、そこから見えたのは
大きな指のあと。
少し内出血を起こしているのか、所々が青くなっている。




「・・・ごめんね。もっと早く助ければよかった。」

「ううん、大丈夫だよ。平気、気にしないで?」



そう言ってる傍から、キラはポーチに入っている包帯を取り出して
スルスルと腕に巻きつけていく。


「気に・・・・しないなんて、出来ないよ。」

巻き終えたと同時に、はきつく抱きしめられた。
いつもは恥ずかしがってしないのに。



・・・・君は女の子なんだよ?を護るのはボクの役目でしょ?それなのに、こんな怪我させちゃったし・・・・ごめん。」

キラのほうが幾分か身長が高いため、はキラの肩口に顔を埋める形になった。
見かけによらず、しっかりとしていて広い肩。
いつも護っているようで、護られているのはの方だ。

訓練が辛いときも、泣きたいくらい悲しいときも、いつもキラの笑顔のお陰で乗り越えることが出来ている。
色んな気持ちが溢れて、何を話しいて良いか判らず、ただ抱きしめ返した。



「・・・・・・ありがとう・・・キラ。大好き。」

































「  」
帰宅し、怪我の治療をしているとがポツリと呟いた。

「え?何?」

小さな声だったから、キラの耳に届く前に消えてしまった。
ふっと微笑んでもう一度言い直した。





「今日のキラ、カッコよかったよ。 キラはやっぱり、あたしの王子様だよ!」










ちゅっと軽い音を立てて、キラの頬にキスを落とした。







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初キラ夢でした!!
ハトさんへの誕生日プレゼントです!!
お姉様!お気に召していただけたでしょうか?

とにかく、文の内容はハチャメチャで、ありえないことだらけなので。
初ということで、勘弁してやってください。



それでは、ハトさん!誕生日おめでとう御座います!!



結城 淳


2005/03/01