「皆様、大変お待たせいたしました。目的地に到着です。」
堕天
受験生は第三次試験会場に降り立った。
広さもでかさも半端ない。
辺りを見渡せば、遠くに森が見えるが、それ以外で不審なモノは見当たらない。
「ここはトリックタワーと呼ばれる塔のてっぺんです。」
手短な説明をしてネテロ達は帰っていった。
制限時間は72時間・・・・・ね。
まぁ、焦ることないか。
皆が消えてから行こう。
のんびりと歩いていると、一人の男が塔の側面を下り始めた。
暫くは何も起こらず、ある程度の距離まで下ることが出来た。
ゴンとキルアが感心して見ていたが、ゴンが声を上げた。
「あれ。」
指さした方を見れば、何かが此方に向かってくる。
「ふふん、どうやら三次試験の合格者第一号は俺様のようだな。」
余裕ぶっかましで下っていたが、バサバサと羽音が耳につき
何の音か確かめる為に振り返った。
そこに居たのは人面鳥で、ゲッゲっと気持ち悪い鳴き声を発している。
逃げ場のないタワー側面では、抵抗することも出来ず男は人面鳥の胃袋に納まった。
人数、減ってきたな。
そろそろあいつ等も気づく頃か・・・・。
「レオリオ、クラピカ、。」
「ゴン。」
ゴンが隠し扉を見つけ、どこにしようか迷っていると言った。
キルアとゴンが扉について説明と提案を出すと、クラピカ、レオリオはそれに便乗した。
「はどうする?」
「俺は遠慮するよ。」
「「「「何で?」」」」
四人一斉に首を傾げられ、少し罪悪感を持ったが
別に疚しい事をするわけでもないしと笑って送り出した。
「ちょっとやる事があってな。皆がいるとできないんだわ。」
「それって、今やんなきゃいけねぇの?」
「まあな。大丈夫、地上で会おうぜ。」
ニカっと笑うと、は皆に背を向けて歩きだした。
四人は不安げに背中を見ていたが、観念して扉の中へ入っていった。
背中越しにそれを感じて、は薄く笑った。
最後まで残っていた一人が扉を見つけ降りていったことを確認すると
は塔の中央に立って、徐にナイフを取り出した。
それを腕の中ほどにあて一気に引いた。
だらりと降ろせば指の先から鮮血が滴り小さな血溜まりが出来た。
指を地面に当てゆっくりと動かした。
文字が浮かび上がり熱を持っていく。
文字自体が意思を持って動き出した。
【我が魔の血よ、此処に意思を共通せし魔獣を召喚せよ】
血文字が一匹の獣を象って密集する。
【来い!】
一言叫ぶと血が弾け、漆黒の毛を持った狼が現れた。
だが、狼としては余りにも大きく足には枷が嵌められている。
はそれに近づき、目線の高さになるようにしゃがんだ。
「や!。ご苦労。」
首を撫でて挨拶をする。
それを気持ちよさそうに受けて、頭を垂れた。
「、何事だ?俺を態々呼ぶまでのことか?」
狼がの傷を舐めながら聞いた。
「いいや、別に。ただ、お前も留守番だけさせてちゃ悪いなぁと思って。
ケルベロスといえど、退屈なのには変わんないだろ?」
そう言うとスッと立ち上がり、扉の近くまで行って銃の引き金を引いた。
ドォン!!
激しい爆風が辺りに流れた。
「相変わらず派手なことをする。」
「ハハ、じゃないとお前コレに入れないだろ。」
そこには、大きな穴が出来ていて身体の大きなケルベロスでもすんなり入れるほどだ。
色んな意味で呆れながら、主人のあとを追った。
「何々?この道は唯一の直線。しかし、出てくるものを全てなぎ払え・・・・っておい!」
は脱力した。
此処でなぎ払えと言われれば、再起不能にするか殺すしかなかった。
ヒソカよりも少しばかり速く着けばいいと思っていたのに、もしかしたらイルミよりも遅れてしまうかもしれないのだ。
「・・・・・・・・・俺・・・・此処の試験管、殺ッちゃってもいいかな?」
「・・・・・抑えておけ・・・。」
は帰りたいと切に思った。
悲しいかな、主人の命令は絶対なモノがあり帰ることが出来ない。
自分の性格が恨めしい。
「こうしていても埒が明かぬ。進もう。」
「おう、ゼッテーヒソカより先についてやる!!!」
の黒いオーラが羽のように背中に纏わりついていた。
相手に死の宣告をする時の漆黒の羽。
は、此処の試験管に心の中で合掌した。