ナルトは家から出てすぐ、「ドベなうずまきナルト」という仮面を被った。

集合時間より三十分以上早いというのに演習場には、人影があった。

 

 

 

 

 

 

「サックラちゃ~ん、おはよーってば~。」

 

 

サクラと呼ばれた桜色の髪を持った女の子は、ナルトに気づき振り返った。

 

 

「おはよ、ナルト。あんたが私より遅いなんて珍しいんじゃない?」

 

「へへ、ちょっと寝坊しちゃって。」

 

 

カカシのせいで。というのは、笑ってごまかした。

 

「まァいいわ。二人を待ちましょう。」

 

「おう!」

 

 

 

 

五分後サスケが姿を現した。

 

「サスケ君、おはよう。」

 

 

おはようの後ろに何個ものハートがくっ付きそうな勢いである。

 

 

「おうってばよ!」

 

「ああ」

 

 

 

 

 

 

 

サスケは、無愛想ながらも挨拶を返した。

 

 

 

 

 

 

 

あとは、カカシが来ればいいのだが・・・・・・・・来ない・・・・・・・・。

集合時間より、一時間半は経っている。

 

 

 

 

 

 

(毎度の事とはいえ、何やってんだあの野郎!!!!!)

 

 

段々イラついてきたナルトは、顔には出さないものの内なるナルトは暴走していた。

 

 

 

 

 

(だーーーー!しゃ~んなろー!!畜生!何なんだよクソ野郎!!!)

 

 

 

 

 

カカシが登場したのは、それから四時間後のことだった。

 

 

「や~諸君、今日は人生というなの道に迷い込ん「「はい!うそ~~!!!!」」

 

 

サクラとナルトの息の合ったコンビネーションをサスケは後ろから眺めていた。

 

 

(ウスラトンカチが)

 

「まだ、全部言い終わってないんだけど・・・・」

 

 

 

先生寂しい!なんて泣きまねをするカカシ。

 

「先生の涙なんか見たくありません!!それより任務はなんですか?」

 

なんか、などと言われ軽く傷ついたようだが気を立て直して任務の説明をした。

 

 

 

「今日は、猫探しだ。」

 

「「猫ぉ~?」」

 

「そう、瑞奈ばーさん家のコン太」

 

 

 

そう言って差し出した写真の猫は、アメリカンショートの仔猫だった。

眼がくりくりしていて、金と緑のオッドアイ。首輪には大きなピンクのリボン。

 

 

 

 

 

「きゃ~~~~、可愛い~~~。」

サクラの黄色い声が飛んだ。

 

 

 

(まァ、確かに可愛いな。だが、眼の色が違う。カカシに似ててむかつく)

 

カカシ=変態とみているナルトとしては、あまり好ましくないターゲットだった。

 

「じゃあ、各自でガンバレ。解散!!」

 

 

 

 

 

直後、下忍の三人(暗部一名含め)は森も中へ姿を消した。

 

 

 

(え~っと、猫は・・・・いた!此処から南西に一キロか。)

 

 

 

仔猫の気配を探す事などナルトにとっては朝飯前。

だが、今は「下忍のナルト」ドベを演じるしかない。

あっさりと捕まえても怪しまれる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(え~っと、おお!カカシがいんじゃん。ラッキー♪使ってやろ。)

 

ナルトは、よくカカシを利用して任務をこなしていた。

 

(昨日、今日とオレを怒らせた罰だ。軽く絞めとくか。)

 

 

 

そして、ナルトはカカシの元へと向かった。

 

「カカシセンセー!見つかったってば~?」

 

 

 

なんて可愛い声を出しながらカカシに向かって手を振った。

 

 

 

「それがさ~、まだなんだよね。ナルト、一緒に探してくれない?」

 

 

なんか怪しいチャクラが漂ってます。

 

「いいてばよ。じゃあ、もう少しあっち行かない?」

 

 

そう言って、ナルトはカカシをさっきまでいた所まで案内した。

 

「じゃあ、オレってば此処探すからカカシセンセーはあっちを探してね?」

 

「はい、はい。」

 

 

なんて可愛い事を言うんだナルト!と内心ガッツポーズなカカシだが、

 

コレはやはりナルトの仕掛けた罠だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

仕掛け1落とし穴。

皆がよく作る一般的なものとは違い、チャクラで反応するように作った物である。

ナルトのことを少しでも考えれば落ちるようになっていた。

落とし穴の中身は、マキビシに手裏剣、クナイなど刃物のオンパレード。

上忍とはいえ、落ちたらひとたまりもない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(もう少し、もう少し右!ちっが~ウ右だよ!)

 

 

 

 

そう願っているうちに、カカシは遠ざかってしまった。

 

 

 

 

(ちくしょーーーー!!!!)

次こそ!とナルトは仕掛け2を用意していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

名づけて、「針千本!」

 

 

コレは、カカシの足元にワイヤーを張りそれに躓いたらクナイやら手裏剣やら

色々な物がカカシめがけて降ってくるのだ。

 

 

 

 

 

(コレこそ完璧!最初のとき、黒板消しのブービートラップにかかったんだ  、今回も)

 

 

 

 

ナルトの考えを知ってか知らずか、カカシは木の上に登ってしまった。

 

 

 

 

 

(だーーーーー!!!まったく掛からねぇ!!こうなったら自分の手で!)

 

 

 

 

 

そう決めたら行動派のナルトは早かった。

 

 

「ナ~ルト、そっちは見つかった~?」

 

 

「全然だってばよ、カカシセンセ~。」

 

そう言って、カカシの背後を取った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(ウラ!)

 

 

 

ナルトの投げた石がカカシの後頭部に、クリーンヒット!

 

 

 

 

 

 

もう少し手加減すればよかった、と思ってももう遅い。

 

 

 

カカシは、物干しにかけられた布団のごとく木にぶら下がっていた。

 

 

 

 

 

「ヤバイなぁ・・・やり過ぎた。猫どうしよ。」

 

 

しばらく悩んでいたが、何か閃いたのかさっさと姿を消した。

 

 

 

 

三十分後、ナルトはコン太を連れて皆の所へ向かった。

 

 

「ナルトが見つけたの?」

 

 

 

あまりにも意外だというようにサクラが言って来た。

 

 

「そうだってばよ!オレってば大活躍!!!」

 

 

えっへん!と胸をはるナルト。

 

 

「そういえば、カカシはどうした?」

 

 

「カカシセンセーなら、やることがあるから先に帰ってろって言ってたてばよ。」

 

 

「そうか。」

 

 

 

そういい残して、サスケはさっさと帰ってしまった。

 

 

 

「ああん、サスケ君まって~。じゃあねナルトバイバイ!」

 

 

 

 

サクラも、サスケの後を追っていった。

 

 

二人の気配が遠ざかったことを確認し、ナルトはカカシへと姿を変えた。

 

 

 

 

「コン太、今から帰ろうな。」

 

 

 

 

 

 

そうコン太に話し掛け、ナルトは姿を消した。