明日は卒業式。
涙を流し、感動に胸を振るわせる。
桜の花びらが舞い、先生や保護者、後輩までもが別れを惜しんでくれる。
卒業式
「卒業・・・・・・か・・・。」
誰もいなくなった教室で呟いた独り言は、何にも邪魔されること無く
自らの耳に戻ってくる。
少しでも長く居たい。
そう思って、自ら係りの仕事を買って出た。
いつもならば、部活などがあり後輩達が居て寂しさを噛み締める時間が無いけれど
明日の卒業式の為に、皆帰ってしまった。
静かな学校に独りだけ。
「な〜に辛気臭い顔しちゃってんの。」
「!・・なぁんだ、カカシ先生か。びっくりした〜。」
気配無く近づいてきた担任に、は驚いた。
今の今まで頭の中には、カカシの顔が浮かんでいたから。
最初は憧れだと思っていた。
しかし、大きくなるに連れて憧れなどではない。
恋なんだということがわかった。
告白したくても、相手は大人の教師。
自分のことなんて、他の生徒と同じとしか思っていないのだろうと
あきらめていた。
この気持ちは自分の胸にしまっておこうと決めた。
子供の告白なんかに付き合うほど、カカシは暇ではないのだから・・・・・と。
「なんだは無いでしょ、なんだは。」
「アハ、ごめんなさい。誰も居ないと思ってたから・・・・。」
目線をはずして、黒板を見る。
そこには、皆が思い思いに書き綴った文字や絵で埋め尽くされている。
「卒業・・・・・なんだなぁ。」
「うん。先生とは・・・・・9年間一緒だったね。」
「そうだな。が小学生の時もずっとで、中学でも一緒だったからなぁ。」
カカシは、が小学の入学式の時と同時に赴任。
中学に上がるときに離任となったが、と同じ学校への移動だった。
そんなこともあり、カカシとは義務教育中の9年間を通して一緒だった。
「ねぇ、センセ。明日、泣いてくれる?」
「どうだろうなぁ・・・。人前で泣くの苦手なんだよ。」
「ハハ、そうだったね。小学校の卒業式の時も先生泣かないんだもん。
何でかなぁと思ったら、裏庭で泣いてんの。あの時は良いもん見せて頂きました。」
畏まって頭を下げると、軽く叩かれた。
「ったく、悪ガキから全然成長しないのね、お前。」
「うわ!失礼な!コレでも学級委員してるんですからね!・・
・・・それも、明日までか・・・・・。」
近くにあった机にそっと手を伸ばす。
儚げな表情を浮かべて。
カカシは、言葉に詰まった。
こんなにも美しい表情をするようになったのかと。
と初めて会ったときは、小さな妹を持ったような感じだった。
初めての生徒で、カカシに良く懐いてくれた。
可愛くて仕方なかったあの頃から、始まっていたのかもしれない。
いつの間にかに惹かれ、愛しいと思うようになった。
そんなの卒業を黙って見ていられる筈が無い。
明日が来るのがどんなに恐いか。
いつもカレンダーを見る度に、時間が止まることを祈り続けた。
と離れたくない。
いくら子供じみたことと言われようと構わない。
そう思い、事あるごとに小さな仕事でも
それを言い訳にして、との時間を作った。
「・・・・・・・・・・・。」
「でもね!あたし、明日泣かないよ!」
「・・・なんで?」
聞くと、ニッコリと微笑みこう口ずさんだ。
「だってね。先生が見ている前じゃ泣けないよ。最後くらい笑顔のまま先生の
心の中にいたいモン・・・・・・・・・・先・・のこ・・が・・・・から。」
最後のほうは小さく聞き取ることが出来なかった。
「え?何?」
顔を真っ赤にして、じゃぁ先生、明日ね!遅刻しちゃダメだよ!!と
背中越しに言って、帰っていった。
「ホント、俺の心拍を此処まで乱す事が出来んのは
お前だけなんだぞ?好きだよ・・・・・・・・・・・行くなっ」
握った拳が白くなるほどきつく握っていた。
教室の去り際に、一筋の光が床にはじけた。
「私、先生のこと忘れないからね!」
「先生、俺たちのこと忘れないでくれよ!!」
式も無事に終了し、教室に戻った途端に生徒達から声を掛けられた。
流石のカカシも涙腺がヤバくなってきて、声がまともに出せなくなった。
「は〜い!皆、席に着いて〜!最後に締めるよ!」
が教卓の前に行って、紙を広げた。
いつも掛けていない眼鏡を掛けると、教室中が引き締まるから不思議だ。
「皆さん、三年間お疲れ様でした。」
今日で皆揃っての行事は最後を迎えました。皆さんの思いでは美しいモノばかりでは無いと思います。
辛いこと、苦しいことも多くある事でしょう。しかし、それすらも美しい思い出に変えられるのなら、素晴らしい事ではありませんか?
思いでは今はまだ、眩しすぎて直視できないものです。これから先、10年後、20年後にふと思い出してみてください。
きっと、優しく微笑むことが出来ることでしょう。
保護者の皆様、本日はご足労様でした。私達のことを大部分で支えてくださった皆様には
感謝の言葉しか思い浮かびません。
私は両親を幼い時に失いました。
悲しみをどこにぶつければ良いのか判らず、苦しんでいた時支えてくださった事は生涯を通して忘れません。
恩返しには何をして良いか判りませんが、今私が出来る精一杯に事として、今日此処に立たせていただきました。
先生、先生は私達の成長を一番傍で見てくれていたと思います。
どうでしょうか?私達3年6組は入学当時よりも成長したでしょうか?
クラス替えの無い学校で、このクラスになれたことを心から誇りに思います。
此処に38名の卒業生の名を持って言葉を収めたいと思います。
長い間、本当にありがとう御座いました。
3年6組代表
がお辞儀をすると、溢れんばかりの拍手が惜しみなく響いた。
薄っすらと目に涙を浮かべてはいるが、こぼれる気配は無い。
昨日の放課後にカカシに宣言したのだ。
泣かない、笑顔のままでいようと・・・・・。
角出式も終わり、各自下校となった。
しかし、は再び学校へと戻ってきた。
最後の挨拶をするために、カカシに別れを言うために。
「カカシ先生。」
「、おめでとう。」
「ありがとう。先生、今日泣きそうだったでしょ?」
暫く話していると、一陣の風が吹いて桜の花びらを宙へと誘った。
とカカシの間をゆっくりと舞い落ちる。
時間を遅らせるように、ゆっくりゆっくりと。
「・・・・・・・カカシ先生。」
「ん?」
「・・・・・あたしね、先生のこと、ず〜〜っと好きだったよ!」
それだけを言い残して、走り去ろうとした。
しかし、カカシはそれを許さず咄嗟に腕を掴んだ。
「っ」
「お願い、離して!」
必死に顔を隠しながら振り払おうとする。
しかし、カカシの力に勝てるわけが無く
それどころか、尚更強く握られる。
「、話を聞いてくれ。」
「・・・ムリ・・・今、そっち向けないから。」
嗚咽を必死でこらえ、泣いている姿を見せまいと振り向くことを拒んだ。
本当なら、今すぐにでも振り向きたい。
その顔を見たい。
しかし、今見れば必ずこの思いを忘れられなくなる。
迷惑を掛ける。
涙を流した顔を見られたくは無い。
一層強く腕を引かれ、体が揺れた。
ポスっと音がして、カカシの胸に頭を埋めるかたちになる。
急いで離れようとしたが、離れられなかった。
カカシがの身体をしっかりと抱きしめ、離さなかった。
「、いい逃げするなって小さい頃からいってたよな?」
「・・・・・うん」
「それに、話くらいきちんと聞きなさい。俺の気持ちも聞かずに行く積もり?」
「・・・・・だって、諦めてたから・・・・。」
「俺が、好きだって言っても?」
「・・え?」
弾かれたように顔を上げると、優しく微笑むカカシがいた。
他の生徒には見せない、だけに特別な笑顔。
の大好きな笑顔があった。
「カカシせんせ・・・・。」
「、好きだ。ずっと言いたかった。こうして抱きしめたかった。」
「せんせぇ・・・。」
さっきよりも大きな粒が溢れた。
カカシの胸を借りて泣いた。
その間も、カカシはずっと愛してると囁いてくれた。
「 さん、私と付き合っていただけますか?」
は大きく首を縦に振った。
「はい・・・・喜んで。」
桜の舞い散る季節。
別れを惜しんでくれた人がいることを知った。
長年思い続けていれば、幸せになれることも。
結果としては、カカシとの関係は一旦此処で途切れた。
しかし、今度は教師と生徒ではなく恋人としての新しい関係が始まる。
神様、もう少しだけ我侭を聞いてください。
カカシさんと幸せになりたいです。
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卒業式です。
うん、ナルト達が出てこない!
さんとカカシ先生ばっかり!
まぁ、卒業で浮かれているのでどうか許してやってください。
それでは!さん、カカシ先生とお幸せにvvv<*)) > =<
2005/03/15